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食事でガンは防げるのか
〜予防と再発防止の観点から〜 |
食品でがんの30〜40%は
予防できるとする
世界的な提言はどこまで信頼できるか! |
1997年に米国がん研究財団が発表した「がん予防14ヵ条(本文下段に記載)」は、公衆衛生学者をはじめとする世界のがん研究者に大きなインパクトを与えました。このなかで、がんの30〜40%は食事を中心とする生活習慣の改善で発生頻度を減らすことが可能である、と高らかに謳っているからです。
以降、これに基づいた健康法が世界のあちこちで紹介・提唱されました。
一方で、発表から8年経ち、14ヵ条の一部を否定するような統計調査報告があったのも事実です。大腸がんにおける食物繊維が代表的です。こういったネガティブな報告を見て「14ヵ条」に懐疑を覚えた方、せっかくこれを励行してきたのに…と不安になった方がいらっしゃるようです。それらの研究報告をどう受け止めたらよいのでしょうか?
『1に危険な食品の回避』
『2に好ましい食品の積極的摂取』
「がん予防14ヵ条」は、1997年、米国がん研究財団 (AICR) が世界がん研究基金(WCRF)の協力を得て、食事とがんとの関連をテーマとした過去15年間の世界的論文を検索した後、世界各国から科学者を招聘(しょうへい)して精査検討する専門家委員会を設置し公開討論を行い、勧告の形でとりまとめたものです。
少しへりくだった言い方になりますが、世界のお塁つきを得た、「がん予防14ヵ条」とでも言うべきもので、だからこそ重みがあったと言えます。
「14ヵ条」は2つの勧告に大別できます。
一つは発がんに働く危険因子の回避について。もう一つは、それを打ち消す食事について、です。
以下、今も勧告の重みがまったくすたれていないと思われるも
の。次にネガティブな意見が出てきて論拠が揺らいできているものを、順に取り上げて考察していきます。
●塩分摂取と胃がん
まず、私たち日本人にとっては関わりの強い因子である塩分摂取についてです。
「14ヵ条」は9条で「塩分摂取は1日6gにする」としています。
胃がんは、欧米ではかなり少ないがんとなっていますが、アジア諸ではいまだに発生率の上位を占めるがんです。その多発地帯と野菜や魚などの塩漬けを多く摂る地域が見事に一致しているというのです。
塩分の過剰摂取は胃粘膜を傷つけ、胃壁が食品の化学的作用や発がん物質にさらされやすくなることから、胃がん発生に結びつくと考えられています。
このことは最近、胃がんが減少しつつあるわが国の食生活の推移を追うことでも察しがつきます。戦前は、わが国では全国的に1日に20g以上の塩分を摂っていました。なかでも東北・北陸地方は20gをはるかに超えており、いずれも胃がんの多い県として上位にランキングされていました。寒冷地で、長い間、野菜の漬物(保存食)が冬場の重要な食品であったことが原因であったのでしょう。
しかし、冷蔵庫の普及で保存食への依存度が低下したこと、経済成長に伴い食生活がバラエティーに富むようになったことなどがあいまって、東北・北陸地方はもとより全国的に塩分摂取量は激減。
現在の平均摂取量は約12gにまで減ってきています。
「14ヵ条」 は、その2分の1の「6gとすべし」 と勧告していますが、これは味噌、しょう油などを常食とする日本人にとっては、かなり辛い摂取量になります。しかし、家族歴があるなど胃がんのリスクの大きい人にとっては意味のある数値だと受け止め、少しでも塩分摂取量を減らす食生活の工夫が必要です。
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